お早ようさん

人生はムダばかり。ムダがあるから面白い。
起きてぼーっとして食べてぼーっとして食べてぼーっとして食べてぼーっとして寝てみたいにムダのない生活をしていたらつまらなくて仕方がないだろう。
そんな事を思う映画を見た。

たまたま『お早よう』という小津安二郎作品を見た。
小津といえばローアングルで墓石には「無」と掘られているというくらいしかぱっと言えないし、作品も学生の時分に4本程度(wikipediaで見て思い当たるタイトルの数)見ただけだから残念ながらあまり内容は覚えていない。
ただ、笠智衆が非常にいい役者だなぁと思うと同時に、どことなく時分の祖父のような感じがあり見ると安心するというのがある。

さて、この『お早よう』は子供に焦点があたっている。
大学の映像文化論で小津の視点というのがあった。気がする。
それで小津の作品に郷愁感があるのは子供の視点だからというのを聴いた。気がする。
この作品はまんまと子供目線だった。
色合いもあるけど始めのシーンは少し衝撃的。
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一番小さい子がいさむちゃんで、カメラはこの子の視点のよう。
彼らのリスクを冒してでも遊ぶ姿は微笑ましくも羨ましい。
今から60年前がみんなこうなのかは分からないけど、住環境にも驚く。
勝手に人の家の戸を開けたりできる。
こんな調子でこの映画の感想を言っても残念ながら良さが通じないだろうから、気になる人はみた方がいい。いい映画を見たときっと思える。

劇中に、「だめよぉ」とか「だめだめ」と言うのが何度かあったが、その度に日本エレキテル連合の朱美ちゃん3号を思い出してしまった。
この作品は子供たちが愛らしい。
これを機に他の小津作品も見直し含め見たいと思った。

なぜか『どですかでん』を思い出したのはどっかの色合いか何かのせい。一応画像検索で確認したら全然そんな要素なかった。

映画って、いいですね。