おとなになること
甥っ子が生まれてから、甥っ子というのが僕の世界に現れて、その甥っ子と会うことがある。
1歳半で、もうすぐ喋り出しそうなそぶりを見せながらも、まだ喋らない。
だから、泣いてても理由が分からない。特になく理由がなさそうなのに泣いたり泣き止んだりを繰り返す。
聞けば、眠いからじゃないのかということ。
当人でもなければその年頃でもないから分からないけども、一応、そのくらいまでの子は「眠い」という状態が気持ち悪いという説があるらしい。
眠いのが気持ち悪い。
そうすることで学習時間を増やそうという本能なんだろうか。いや、きっと違うな。
今となっては「眠い」のはむしろ当たり前だし、「だいぶ眠い」状況は気持ちいいし、一体何歳くらいから人間は眠い肯定派になるのだろう。
これを書いている今だって「眠い」し、早く寝たい、楽しい夢がみたいなどと思っている。
兎に角、大人になるというのはそういうことで、いつからかコーヒーを飲むようになったりする。
子供のころに流していた涙とは違う涙が流れる。
甥っ子の悔しそうに泣く姿を見ると、凄くあの制御出来ない感覚を思い出せるのだけど、もうこんな風に泣ける事はないんだろうなぁと思う。
2014年11月11日