「光を摘む – 光の記録 -」を終えて

神楽岡久美さんに「光を摘む」の装置を使用した写真作品の展示をしていただきました。撮影に使われた装置もひとつ置かれ、去年Bank Artにたまたま行って目にした作品が店の中にあるというのは不思議でした。

会期中はオープニングとクロージングでトークを企画してくださいました。
今回が写真展ということもあり、写真に関わるゲストの方を招いての写真トークはジャンルを横断した内容でみなさんそれぞれに発見もあったかと思います。

オープニングではUstreamで中継してみようということでwebカメラを使ってみたり、マイクも立てたけど設定ミスっててただの飾りになっていたもののこんな感じでやっていました。
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その他会期中にはなるべく他の催しを見に来たら展示に遭遇するというようにしたいのでひっそり橋という企画をしています。
今回は店ではbiobiopatataで出ていただいたことのあるケバブジョンソン弦楽五重奏などでも活動されている菅原雄大さんにチェロ独奏をお願いしました。
作品から山村暮鳥の「純銀もざいく」がなんとなく浮かび、それを踏まえての演奏ということでした。個人的に菅原さんが以前橋のピアノでソロをやっていた時に「光を摘む」に合いそうだったということでお願いしましたが、作品に寄り添った素敵な演奏をしてくださいました。
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最終日には、日本に来ていたベルギーの友人Rodolphe Costerが演奏してくれました。迫真の演奏で胸打たれました。
写真は彼の友人のDavitとのツーショット。小台感なし。
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クロージングも沢山の方がいらっしゃって、ちょっとてんやわんやでしたが、オープニングの教訓を活かしてなんとかこなせたかと。
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展示の前に何度か打ち合わせでスタジオにお邪魔したりした際に作品のことを色々と伺いましたが、文脈やコンセプトを置いておいても「光を摘む」と「ギプス」シリーズを見て個人的にはその発想がキャッチーで楽しく、質感もそうだけど「光を摘む」に関しては写る世界の綺麗さが単純に好きです。店にあるとだいぶ長い時間見ることができて、それまで気づかないことにも気づけるから観察という行為は非常に大事なんだと思いました。
写真作品をよくよく見るとそれぞれのミラーピースの角度が違って凄く違和感のある模様をなしています。でも、実際の装置を前にしているとそこまで意識できません。脳が処理をするのをやめて無数に広がりながら動いている世界をひとまとめの記号として認識するのかもしれないと思いました。この装置は遠ざかったり近づいたりで見える世界が違ったり見るほどに不思議な気持ちになります。

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企画いただいたりして自分にとっても店に対しての発見があり嬉しかったです。

神楽岡さんと杉浦のツーショット
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会期中には「橋のピアノ」や「語る」もありましたが、それらの記録は別項にて。