お遍路してみた
ひと足早い夏休みをとってお遍路に行ってきました。
と言っても、三日間の区切り打ちというやつです。
予定では17番まで回って高松とかぶらぶらして帰ってくる予定でした。
8/2の夜、店を早めに閉めて花園神社の盆踊りに行っていました。
常連のSさんとNさんと楽しく踊って汗だくになり、高速バスに乗り込む。
ゆったり4列でしたが、4列なのでゆったりなはずがなく、両隣をやんちゃそうな二人に
挟まれてのスタートです。
右隣の兄ちゃんが
「山行くんですか?学生さんですか?」
と話しかけてきた。
彼は自動車整備で働いている八王子の青年25歳。
江戸川区の神輿会に入っているというお祭り野郎。
地方の祭りも見たいということで四国に行くと言っていた。
しかし、阿波踊りの時期にはかぶらないので、何か見れたのだろうか。
どうでしょう。
徳島の駅で彼と別れ、板東へ。
7時ちょうどくらいに1番札所の霊山寺をスタートできた。
すぐさま雨が降ってきた。
台風は記録的な雨だったけど、自分の歩いていた地域は普通の雨くらい。
傘をさして回って行く。
それにしても歩き遍路がいない。
お寺で見かける人たちはみんな車遍路だ。
ご飯を食べようにも歩き遍路のオフシーズンと雨が重なり閉めてしまう店が多発らしく、3時間も歩くと傘の撥水効果がもたず雨漏りするし昼飯にたどり着くのは容易ではなかった。
途中の自販機で缶コーラを買ったら釣り銭口が冠水。コーラを取ったら取り出し口に蜘蛛の巣がすごくまとわりついて、飲み口にも蜘蛛の糸とそれに付随するゴミ的なものがまとわつく。
のどが乾いていたけども20円分くらいどうにか飲んで捨てた。
そのあと、温泉付き売り家の前を通ると何故か子供の声らしきものが聞こえた。
おいおい、嫌がらせはやめてくれ。とそそくさと歩を進めて13:30くらいに御所の里という健康ランド的なところで昼飯。
遍路道というのは茂みの中だけでなく、国道沿いだったりして、車に水をかけられたりしながら
「あぁ、修行に来たのだな。」
と思わされた。ちっとも楽しくない。四国の道を楽しもうとか所々で見かけはしたが。
車が少し先で止まった。
まさかね。とか思いながら横を過ぎると
「お遍路さん、乗って行きますか?」
とポルトガル人。幸い、歩き遍路に拘っているわけでもないので即座に乗る。
8,9,10番は車で移動して宿まで乗せてくれた。
宿ではそんな食えないというくらいの料理が出て、風呂もすごく熱かったが回復した。
そんな折、先日うちで演奏した永田氏から、メール。
翌朝は台風の猛威がおさまらないから中断。11番まで先のポルトガル人が乗せてくれた。
永田氏が香川にいるという事で高松に行くと言うと、ポルトガル人が1時間の道のりを車でとばしてくれた。
なんて親切なんだろう。彼は
「この親切を他の人にしてあげて下さい。」
と言う。残念ながら私が人に親切できる機会は日常を振り返ってもあまりなさそうだった。
しかし、親切を広げるというのはいいことだ。
高松で永田氏と合流。
うどんを食べる。
観音寺に向かう。
ここでは11月に町おこしのイベントがあり、その会議ということだった。
まったくの部外者でありながら図々しくも顔をだすということで、ひとまず100均でビーサンやらゴーグルやらを揃えて海で泳ぐ。
香川は降水量が非常に少ない地域らしく、台風まっただ中の徳島から逃れると晴れ渡った瀬戸内海だった。
町の人、プロジェクトに参加する人たちの会議の輪の中に変なお遍路さんがいるという状況で2日を過ごした。
自分にとってかなり有益な経験ができたと思う。
というのも、カフェの体でまちづくりの場としていきたいというのがこの店を始めた根幹である故、現場を見れて非常に感銘を受けた。
今までした仕事にはそういったノウハウがまったくないし、学ばなければならないと感じた。
ということで、ゆとりを作らないといけないから多分ほかで働くのと、何かある時には店は閉めようと思う。
まずはシブヤ大学のボラスタから。
あとは町内の何かにも顔を出さないといけないけどどうだろうな。
平日は一律なるべく16時からとなるように仕事を探します。
店のことはその辺にして、帰りは寝台のサンライズ瀬戸で帰ってきた。
寝台車というのは素晴らしい。なくなるのがもったいない。金のことばかり考えてるからこういう情緒みたいなものがなくなって行くんだろうか。
帰ってきて、なんか面倒だから坊主にした。
そんなお遍路だった。
2014年8月8日